2025年04月
2025年04月30日
【絵本レビュー】思いやりが幸せを呼ぶ『金のがちょう』(ポプラ社)
【絵本レビュー】思いやりが幸せを呼ぶ、心温まるグリム童話
『金のがちょう』
(文:中脇 初枝/絵:櫻井 美知代・岡部 順/解説:西本 鶏介/ポプラ社)
はじめに 〜優しさが織りなす奇跡の物語〜
グリム童話の中でも人気の高い『金のがちょう』は、思いやりの心がもたらす幸運と、周囲の人々とのつながりを描いた物語です。ポプラ社の「はじめての世界名作えほん」シリーズでは、子どもたちにもわかりやすく、美しいイラストとともにこの物語を楽しむことができます。
あらすじ 〜末っ子の優しさが起こす不思議な出来事〜
ある村に、三人の兄弟が住んでいました。長男と次男は賢いけれども自分勝手で冷たい性格でしたが、末っ子のハンスは心優しく、誰にでも親切に接していました。
ある日、ハンスは森で困っている小さなおじいさんに出会います。彼はおじいさんに食べ物を分け与え、親切にしました。すると、おじいさんはお礼に金色の羽を持つがちょうをハンスに授けます。
ハンスが宿屋に泊まると、宿屋の娘たちが金のがちょうを見て、羽を一枚取ろうとします。しかし、娘たちはがちょうにくっついて離れなくなってしまいます。その後も、がちょうに触れた人々が次々とくっついていき、長い行列ができました。
その騒動を見たお城の王様は、笑わないことで有名な娘を笑わせた者に娘を嫁がせると宣言します。ハンスと長い行列を見た王女は思わず笑い出し、ハンスは王女と結婚することになりました。こうして、ハンスの優しさが幸せを呼び込んだのです。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
子どもたちは、がちょうに人々がくっついていくユーモラスな展開に大笑いしながらも、ハンスの優しさや思いやりの大切さを自然と学ぶことができます。物語のテンポも良く、読み聞かせにぴったりの一冊です。
おすすめ年齢 🎂
3歳〜6歳ごろ
👉 幼稚園〜小学校低学年のお子さまにぴったり。ひらがな中心の読みやすい文章と、親しみやすいイラストで、初めての読み聞かせにも最適です。
ちょこっと豆知識 ✏️
『金のがちょう』は、グリム兄弟によって収集されたドイツの民話の一つです。物語は、思いやりや親切心が報われるという教訓を含んでおり、世界中で親しまれています。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
-
登場人物の声を使い分けよう
ハンスの優しい声、おじいさんの不思議な声、くっついてしまう人々の驚いた声など、登場人物の声を変えて読むと、物語がより生き生きと伝わります。 -
子どもたちと一緒に笑おう
がちょうに人々がくっついていく場面では、子どもたちと一緒に笑いながら読むことで、楽しい雰囲気を作り出せます。 -
物語の教訓を話し合おう
読み終えた後、「優しさって大切だね」「親切にするといいことがあるね」など、物語から得られる教訓について子どもたちと話し合うと、理解が深まります。
まとめ 🌿
『金のがちょう』は、思いやりや親切心の大切さをユーモラスに描いたグリム童話です。ハンスの優しさがもたらす奇跡の物語は、子どもたちにとって心温まる教訓となるでしょう。読み聞かせを通じて、親子で楽しい時間を過ごしながら、大切な価値観を共有できる一冊です。
2025年04月24日
【絵本レビュー】おならで大活躍!?『へっこきよめさま』(ポプラ社)
『へっこきよめさま』
(文:中脇初枝/絵:林桂子・門野 真理子/解説:西本 鶏介/ポプラ社)
はじめに 〜笑いと教訓が詰まった日本の昔話〜
日本の昔話には、ユーモアと教訓が巧みに織り交ぜられた作品が多くあります。『へっこきよめさま』もその一つ。おならが引き起こす騒動を通じて、個性や思いやりの大切さを伝えてくれます。
あらすじ 〜おならがもたらす騒動と幸せ〜
昔々、ある村に働き者で美しいお嫁さんがやってきました。彼女には一つの秘密がありました。それは、とても大きなおならをすること。ある日、我慢できなくなったお嫁さんが放ったおならで、家の天井が吹き飛び、お姑さんまで吹き飛ばされてしまいます。困った夫は、お嫁さんを実家に帰すことに。
帰り道、お嫁さんは困っている人々に出会います。小間物屋さんが柿が食べたくて困っていると、お嫁さんはおならで柿を落として驚かせます。また、大きな船が動けなくなっていると、おならで動かして助けてあげます。元お嫁さんのおならは、次々と人々を助け、感謝されることに。最終的には、夫もお嫁さんの特技を認め、再び一緒に暮らすことになります。
そして、おならを存分に放っても平気なように家の奥に丈夫な一間を用意しました。それから、ここを「へや」というようになったとか。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
子どもたちは、おならの音や騒動に大笑いしながらも、お嫁さんの優しさや思いやりに心を動かされます。ユーモアを交えた物語は、子どもたちの興味を引きつけ、楽しい読み聞かせの時間になりますよ。ゲラゲラ笑える絵本って意外と少ないので、我が家ではよく読んでいます。
おすすめ年齢 🎂
3歳〜6歳ごろ
👉 幼稚園〜小学校低学年のお子さまにぴったり。ひらがな中心の読みやすい文章と、親しみやすいイラストで、初めての読み聞かせにも最適です。
ちょこっと豆知識 ✏️
「へっこきよめさま」は、日本各地に伝わる昔話の一つで、地域によってさまざまなバリエーションがあります。おならをテーマにしたユーモアあふれる物語は、子どもたちに人気があります。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
-
おならの音を楽しく表現しよう
「ぶわーん!」と、おならの音を大げさに読むことで、子どもたちの笑いを誘います。 -
登場人物の感情を声で表現しよう
お嫁さんの困った様子や、夫の怒り、困っている人々の驚きなど、感情を声のトーンで表現すると、物語がより生き生きと伝わります。 -
物語の教訓を話し合おう
読み終えた後、「自分の特技を活かすことの大切さ」や「思いやりの心」について子どもたちと話し合うと、理解が深まります。
まとめ 🌿
『へっこきよめさま』は、ユーモアと教訓が詰まった日本の昔話です。おならというユニークなテーマを通じて、個性や思いやりの大切さを伝えてくれます。読み聞かせを通じて、親子で楽しい時間を過ごしながら、大切な価値観を共有できる一冊です。
2025年04月23日
【絵本レビュー】『かってもまけてもいいんだよ』(主婦の友社)
勝ち負けより大切なことを教えてくれる一冊
『かっても まけても いいんだよ』
(作:オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ/訳:垣内 磯子/主婦の友社)
はじめに 〜感情との向き合い方を学べる絵本〜
子どもたちは日々の遊びや競争の中で、勝ちたい気持ちや負けたときの悔しさを経験します。『かっても まけても いいんだよ』は、そんな感情との向き合い方を、ユニコーンのガストンと一緒に学べる絵本です。このシリーズは、子どもたちが自分の気持ちを理解し、適切に表現する力を育むことを目的としています。
あらすじ 〜ガストンの成長物語〜
ユニコーンの男の子、ガストンはサッカーの試合でなかなか活躍できず、シュートが決まらないことにイライラしてしまいます。さらに、友だちに笑われてしまい、ますます怒りが募ります。そんなガストンに、ママは「いつも勝てるとは限らないよ。大切なのはゲームを楽しむこと」と優しく伝えます。ガストンはママの言葉を受け入れ、すねたり怒ったりせずに、楽しむことの大切さを学んでいきます。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
子どもたちは、ガストンの気持ちに共感しながら物語を楽しんでくれました。特に、感情がたてがみの色で表現される描写は、視覚的にもわかりやすく、子どもたちの興味を引いていたように思います。読み終わった後に、「負けても楽しかったらいいんだよね」と子どもがつぶやいたのが印象的でした!
実は去年の運動会のかけっこで、お友達に負けて大泣きしたことがあり…。(もう1回走りたい!!と大号泣の大騒ぎでした
)
今年も癇癪を起こしそうだなと思って事前にこの絵本を読み聞かせておいたのですが、なんと、「負ける時もあるんだよ」と負けてもすんなり受け入れていました!!!
なかなか説得するのは難しいですが、こうやって絵本のおかげでソーシャルスキルがアップしているなぁと感動しました!
おすすめ年齢 🎂
4歳〜6歳ごろ
👉 幼稚園〜小学校低学年のお子さまにぴったり。感情のコントロールや自己表現を学び始める時期に最適な内容です。
ちょこっと豆知識 ✏️
この絵本は、パリ第3大学で児童心理学とコミュニケーションについて学んだ著者によるソーシャルスキルを学ぶシリーズの一冊です。主人公のガストンは、気分によってたてがみの色が変わるユニコーンの男の子。感情を視覚的に表現することで、子どもたちが自分の気持ちを理解しやすくなっています。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
-
感情の変化を声のトーンで表現しよう
ガストンのイライラやママの優しさを、声のトーンや表情で表現すると、子どもたちが感情の違いを感じ取りやすくなります。 -
たてがみの色の変化に注目しよう
ガストンのたてがみの色が感情によって変わることを指摘しながら読むと、子どもたちが自分の気持ちを色で表現するきっかけになります。 -
読み終わった後に感想を聞いてみよう
「ガストンはどうして怒ったのかな?」「どうして楽しくなったのかな?」など、子どもたちに問いかけることで、感情について考える時間を作れます。
まとめ 🌿
『かっても まけても いいんだよ』は、勝ち負けにこだわることなく、楽しむことの大切さを教えてくれる絵本です。ガストンの成長を通じて、子どもたちは自分の感情と向き合い、適切に表現する方法を学びます。親子で一緒に読みながら、感情について話し合うきっかけにもなる一冊です。本当におすすめ!!
2025年04月15日
【絵本レビュー】神話の世界へ、やさしさの一歩『いなばのしろうさぎ』(ポプラ社)
今回は、ポプラ社の「はじめての世界名作えほん」シリーズの中から『いなばのしろうさぎ』をご紹介します。
日本最古の書物『古事記』に記された神話の一つ、「因幡(いなば)の白うさぎ」。この物語は、やさしさと思いやりの大切さを教えてくれます。『いなばのしろうさぎ』は、そんな神話を子どもたちにもわかりやすく伝える絵本です。
『いなばのしろうさぎ』

◆基本情報
発行所 ポプラ社
文 中脇初枝
作画 小林裕也
美術 すずきえりな
定価 本体600円(税別)
あらすじ 〜白うさぎの冒険と出会い〜
いなばの国へ渡ろうと考えた白うさぎは、海を渡るためにサメたちをだまし、背中を渡っていきます。しかし、うさぎの嘘を見破ったサメたちは怒り、うさぎの毛皮をはぎ取ってしまいます。傷ついたうさぎは浜辺で泣いていました。
そこへ、大国主命(オオクニヌシ)とその兄たちが通りかかります。兄たちはうさぎに嘘の治療法を教え、うさぎの傷はさらに悪化します。最後に通りかかったオオクニヌシは、うさぎに正しい治療法を教え、うさぎの傷は癒えます。うさぎは感謝し、オオクニヌシに「いなばの国の美しい姫(=ヤガミヒメ)は、あなたと結ばれるでしょう」と予言します。
こうして、オオクニヌシは出雲の国を治める最初の王様になったそうです。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
子どもたちは、白うさぎの冒険にワクワクしながらも、やさしさや思いやりの大切さを自然と学ぶことができます。大国主命のやさしさに触れたうさぎの感謝の気持ちや、嘘をついたことへの後悔など、感情の動きを感じ取ることができるでしょう。
おすすめ年齢 🎂
3歳〜6歳ごろ
👉 幼稚園〜小学校低学年のお子さまにぴったり。ひらがな中心の読みやすい文章と、親しみやすいイラストで、初めての読み聞かせにも最適です。
ちょこっと豆知識 ✏️
「いなばのしろうさぎ」は、日本最古の書物『古事記』に記された神話の一つで、因幡の国(現在の鳥取県)に伝わる物語です。大国主命は、日本神話における重要な神様で、出雲大社の主祭神としても知られています。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
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うさぎの冒険を一緒に楽しもう
「うさぎさん、どうなるのかな?」と問いかけながら読むことで、子どもたちの興味を引き出します。
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感情の変化を声で表現しよう
うさぎの喜びや悲しみ、大国主命のやさしさなど、登場人物の感情を声のトーンで表現すると、物語がより生き生きと伝わります。
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物語の教訓を話し合おう
読み終えた後、「やさしさって大切だね」「嘘をつくとどうなるかな?」など、物語から得られる教訓について子どもたちと話し合うと、理解が深まります。
うさぎの冒険を一緒に楽しもう
「うさぎさん、どうなるのかな?」と問いかけながら読むことで、子どもたちの興味を引き出します。
感情の変化を声で表現しよう
うさぎの喜びや悲しみ、大国主命のやさしさなど、登場人物の感情を声のトーンで表現すると、物語がより生き生きと伝わります。
物語の教訓を話し合おう
読み終えた後、「やさしさって大切だね」「嘘をつくとどうなるかな?」など、物語から得られる教訓について子どもたちと話し合うと、理解が深まります。
まとめ 🌿
『いなばのしろうさぎ』は、やさしさと思いやりの大切さを教えてくれる絵本です。白うさぎの冒険を通じて、子どもたちは自然と他人を思いやる心を育むことができます。読み聞かせを通じて、親子で楽しい時間を過ごしながら、大切な価値観を共有できる一冊です。
2025年04月14日
【絵本レビュー】見えないって、いいこと?わるいこと?『てんぐのかくれみの』(ポプラ社)
今回は、ポプラ社の「はじめての世界名作えほん」シリーズの中から『てんぐのかくれみの』をご紹介します。
子どもたちが大好きな「日本の昔話」。その中でも、ちょっぴりいたずら好きな主人公が登場するお話は、子どもたちの興味を引きます。『てんぐのかくれみの』は、そんな魅力が詰まった一冊。姿が見えなくなる不思議な「かくれみの」を手に入れた男の子・ひこいちが、どんな冒険を繰り広げるのか。読み聞かせにもぴったりの作品です。
『てんぐのかくれみの』

◆基本情報
発行所 ポプラ社
文 中脇初枝
作画 小林裕也
美術 すずきえりな
定価 本体600円(税別)
あらすじ 〜ひこいちと、てんぐのかくれみの〜
山のふもとに住む男の子・ひこいちは、ある日、てんぐが持っている「かくれみの」のことを聞きつけました。「手に入れたらきっと面白いだろうなぁ」と考えたひこいちは、自作したただの竹の筒を「とおめがね」と騙して、てんぐの「かくれみの」と交換します。そのみのを身につけると、噂通り、なんと姿が見えなくなったのです!ひこいちはこの不思議な力を使って、村の人々にいたずらを始めます。お店の団子をこっそり食べたり、道行く人を驚かせたり。最初は楽しくて仕方がなかったひこいちですが、次第にいたずらがエスカレートし、村の人々にこっぴどく叱られてしまいました。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
子どもたちは「見えなくなる」という設定にワクワクしながらも、ひこいちの行動を通して「いたずらの良し悪し」や「他人への思いやり」について自然と考えることができます。読み聞かせを通じて、子どもたちと「もし自分がひこいちだったらどうする?」といった対話を楽しむのもおすすめです。
5歳の娘はなぜかこのお話を気に入ったようで、しばらく毎晩リピートしていましたよ。
おすすめ年齢 🎂
3歳〜6歳ごろ
👉 幼稚園〜小学校低学年のお子さまにぴったり。ひらがな中心の読みやすい文章と、親しみやすいイラストで、初めての読み聞かせにも最適です。
ちょこっと豆知識 ✏️
「てんぐのかくれみの」は、日本各地に伝わる昔話の一つで、地域によっては「ひこいちばなし」として親しまれています。この絵本では、児童文学者・西本鶏介さんの解説も付いており、物語の背景や教訓についても学ぶことができます。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
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「かくれみの」を着たひこいちの気持ちを想像してみよう
「見えなくなったら、どんなことをしてみたい?」と問いかけることで、子どもたちの想像力を刺激します。 -
いたずらの場面では声のトーンを変えてみよう
ひこいちのいたずらがエスカレートする場面では、声のトーンやテンポを変えることで、物語の展開をより楽しめます。 -
最後の反省の場面では、ゆっくりと丁寧に読む
ひこいちが自分の行動を反省する場面では、ゆっくりと丁寧に読むことで、子どもたちにもその気持ちが伝わりやすくなります。
まとめ 🌿
『てんぐのかくれみの』は、子どもたちに「見えない力」を手に入れたときの責任や、他人への思いやりの大切さを教えてくれる絵本です。ひこいちの冒険を通じて、子どもたちは自然と「良いこと」と「悪いこと」の違いを学び、成長していくことでしょう。読み聞かせを通じて、親子で楽しい時間を過ごしながら、大切な価値観を共有できる一冊です。


















