2025年04月14日
【絵本レビュー】見えないって、いいこと?わるいこと?『てんぐのかくれみの』(ポプラ社)
今回は、ポプラ社の「はじめての世界名作えほん」シリーズの中から『てんぐのかくれみの』をご紹介します。
子どもたちが大好きな「日本の昔話」。その中でも、ちょっぴりいたずら好きな主人公が登場するお話は、子どもたちの興味を引きます。『てんぐのかくれみの』は、そんな魅力が詰まった一冊。姿が見えなくなる不思議な「かくれみの」を手に入れた男の子・ひこいちが、どんな冒険を繰り広げるのか。読み聞かせにもぴったりの作品です。
『てんぐのかくれみの』

◆基本情報
発行所 ポプラ社
文 中脇初枝
作画 小林裕也
美術 すずきえりな
定価 本体600円(税別)
あらすじ 〜ひこいちと、てんぐのかくれみの〜
山のふもとに住む男の子・ひこいちは、ある日、てんぐが持っている「かくれみの」のことを聞きつけました。「手に入れたらきっと面白いだろうなぁ」と考えたひこいちは、自作したただの竹の筒を「とおめがね」と騙して、てんぐの「かくれみの」と交換します。そのみのを身につけると、噂通り、なんと姿が見えなくなったのです!ひこいちはこの不思議な力を使って、村の人々にいたずらを始めます。お店の団子をこっそり食べたり、道行く人を驚かせたり。最初は楽しくて仕方がなかったひこいちですが、次第にいたずらがエスカレートし、村の人々にこっぴどく叱られてしまいました。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
子どもたちは「見えなくなる」という設定にワクワクしながらも、ひこいちの行動を通して「いたずらの良し悪し」や「他人への思いやり」について自然と考えることができます。読み聞かせを通じて、子どもたちと「もし自分がひこいちだったらどうする?」といった対話を楽しむのもおすすめです。
5歳の娘はなぜかこのお話を気に入ったようで、しばらく毎晩リピートしていましたよ。
おすすめ年齢 🎂
3歳〜6歳ごろ
👉 幼稚園〜小学校低学年のお子さまにぴったり。ひらがな中心の読みやすい文章と、親しみやすいイラストで、初めての読み聞かせにも最適です。
ちょこっと豆知識 ✏️
「てんぐのかくれみの」は、日本各地に伝わる昔話の一つで、地域によっては「ひこいちばなし」として親しまれています。この絵本では、児童文学者・西本鶏介さんの解説も付いており、物語の背景や教訓についても学ぶことができます。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
-
「かくれみの」を着たひこいちの気持ちを想像してみよう
「見えなくなったら、どんなことをしてみたい?」と問いかけることで、子どもたちの想像力を刺激します。 -
いたずらの場面では声のトーンを変えてみよう
ひこいちのいたずらがエスカレートする場面では、声のトーンやテンポを変えることで、物語の展開をより楽しめます。 -
最後の反省の場面では、ゆっくりと丁寧に読む
ひこいちが自分の行動を反省する場面では、ゆっくりと丁寧に読むことで、子どもたちにもその気持ちが伝わりやすくなります。
まとめ 🌿
『てんぐのかくれみの』は、子どもたちに「見えない力」を手に入れたときの責任や、他人への思いやりの大切さを教えてくれる絵本です。ひこいちの冒険を通じて、子どもたちは自然と「良いこと」と「悪いこと」の違いを学び、成長していくことでしょう。読み聞かせを通じて、親子で楽しい時間を過ごしながら、大切な価値観を共有できる一冊です。
2025年04月13日
【絵本レビュー】ゆるす気持ちの育て方『しっぱいしたっていいんだよ』(主婦の友社)
今回は、「ガストンのソーシャルスキルえほん」シリーズからご紹介します!
『しっぱいしたっていいんだよ』

◆基本情報
発行所 主婦の友社
文・絵 オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ
訳 垣内磯子
定価 本体1200円(税別)
はじめに 〜「ゆるす気持ち」ってどうやって育てる?〜
「〇〇ちゃん、またまちがえた!」「なんでそんなことするの!」
小さな子どもが誰かのミスに対して、ちょっとキツく言ってしまうこと、ありますよね。
この絵本では、他人の失敗をゆるせなかったガストンが、同じような失敗をしてしまったことで、初めて他人の気持ちに気づいていく姿が描かれています。
ソーシャルスキルを学ぶ大切な一歩、
それはきっと「自分がされたらどう思うか」を知ること。
ガストンといっしょに、「失敗にやさしくなる心」を育んでみませんか?
あらすじ 〜“失敗”から育つ、やさしさの種〜
ガストンは、カラフルなたてがみを持つユニコーンの男の子。
彼のたてがみの色は、気持ちによって変化します。
ある日、いとこのジョセフィーヌが遊びにやってきたのですが、ガストンは彼女の言動にイライラ。とても頑張って整理した植木鉢を壊されてしまったとき、ついに怒りが爆発してしまいます。謝ってくれたジョセフィーヌに対して、ガストンはつい「もううんざりだよ!」と冷たく言ってしまいます。
ガストンはジョセフィーヌの失敗をなかなか受け入れることができません。
でもその後、自分が同じミスをしてしまう出来事が。
思わず廊下でつまづいてしまって――なんとジョセフィーヌのぬいぐるみを破ってまったのです!
その瞬間、ガストンは悲しくなって、たてがみが真っ青に。
さらに、ジョセフィーヌが失敗したときに自分がすごく怒ったことも思い出しました。
**「わざとじゃなくても悲しい思いをさせることがあるんだ」**と、ガストンは初めて気づきます。
そして、お父さんが「そんなつもりじゃなくても人に悲しい思いをさせてしまうことがあること」「謝ることの大切さ」をやさしくガストンに伝えます。
最後には、ジョセフィーヌと互いに謝って仲直りができたガストン。
**「しっぱいしたって、いいんだよ」**という気持ちが、少しずつ心の中に育っていきます。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
失敗に対して厳しくなりすぎる子や、「正しさ」にこだわるタイプの子にこそ届いてほしい一冊。
ガストンの心の変化がとてもリアルで、「失敗される側」と「失敗する側」の両方の気持ちに寄り添える構成になっています。
子どもにとっても、「あ、自分にもこういうときある」と共感しやすく、
**やさしさの本当の意味ってなんだろう?**と自然に考えるきっかけになります。
おすすめ年齢 🎂
4歳〜8歳ごろ
👉 自分や他人の気持ちに興味が出てくる年中さん以降におすすめ。
小学校低学年の道徳の導入にもぴったりです。
ちょこっと豆知識 ✏️
「ガストンのソーシャルスキルえほん」シリーズは、**感情教育(SEL=Social Emotional Learning)**に基づいて作られた人気絵本。
フランスで誕生し、現在は世界15カ国以上で翻訳・出版されています。
1冊ごとにテーマが異なり、
怒り、集中、不安、自信など――子どもが出会う**「心のもやもや」**をわかりやすく紹介。
読み聞かせだけでなく、園や学校でも活用されています。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
🌈 たてがみの色の変化に注目して読むのがおすすめ!
気持ちの変化が視覚的にわかるので、「どんな気持ちだったと思う?」と聞いてあげると◎
🦄 「ガストンと同じ気持ち、ある?」と問いかけてみよう
子どもが自分の経験と照らし合わせやすくなり、読後の対話も深まります。
📘 最後はガストンのやさしいセリフをいっしょに読んでみて!
「しっぱいしてもいいんだよ」――声に出して読むことで、子ども自身の中にもその言葉が残ります。
まとめ 🌷
『しっぱいしたっていいんだよ』は、人の失敗をゆるす力、自分の失敗を受け入れる力をやさしく育む一冊。
ユニコーンのガストンを通して、子どもたちは他人への共感と、心のしなやかさを少しずつ学んでいきます。
失敗を「ダメなこと」と思ってしまうお子さんに、
そして、人にちょっと厳しくなってしまうときに――
心をゆるめてくれる優しい一冊として、ぜひ手元に置いておきたい絵本です♡
2025年04月12日
【絵本レビュー】ドキドキの森の中で…『あかずきん』(ポプラ社)
今回は、ポプラ社の「はじめての世界名作えほん」シリーズの中から、イギリス発祥の有名なお話『あかずきん』をご紹介します。
ヨーロッパの名作童話の中でも、子どもたちにとって特に印象的なお話──それが『あかずきん』。
赤いずきんをかぶったかわいらしい女の子と、ちょっぴりこわいオオカミのやりとりが描かれるこの物語には、「油断大敵」「知らない人に気をつけよう」という大切な教訓が詰まっています。
『あかずきん』

◆基本情報
発行所 ポプラ社
文 中脇初枝
作画 岩崎知子
美術 大橋由佳
定価 本体600円(税別)
あらすじ 〜赤いずきんと森のなかのオオカミ〜
むかしむかし、あるところに、小さな女の子が住んでいました。
お母さんが作ってくれた赤いずきんがとても気に入っていて、いつもそれをかぶっていたことから、みんなに「赤ずきん」と呼ばれていました。
ある日、赤ずきんは森の向こうに住むおばあさんのお見舞いに行くことになります。
お母さんから「道草しないで、まっすぐ行くのよ」と言われて、赤ずきんはおいしいお菓子とワインをかごに入れ、元気よく森へ出かけます。
でも森の中で出会ったのは、こわいオオカミ。
赤ずきんは、オオカミがこわい生き物だと知らず、ついおしゃべりしてしまいます。
オオカミはずるがしこく、赤ずきんちゃんからおばあさんの家の場所を聞き出すと、先回りしておばあさんを丸呑みにしてしまいます。
そして、おばあさんになりすまし、ベッドで赤ずきんを待つオオカミ。
赤ずきんが到着すると、不思議そうに「おばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの?」「お口はどうしてそんなに大きいの?」と尋ねますが…。
「おまえを ひとくちで飲み込めるようにだよ!」
オオカミにぱくりと食べられてしまう赤ずきん。
けれども最後には、通りがかった狩人がオオカミのおなかを開けて、赤ずきんとおばあさんを無事に助け出してくれます。
命を助けられた赤ずきんは、それからはもう二度とお使いの途中で道草はしないと心に誓うのでした──。
読み聞かせしてみて感じたこと 💭
「ちょっと怖そうかな?」と思いきや、絵本の中の赤ずきんはとってもかわいらしく、オオカミもそこまで怖すぎない絶妙なバランス◎
スリルがある展開に子どもも釘づけで、「オオカミ、ズルいね!」「赤ずきんちゃん、気をつけて〜!」と声が飛ぶほどでした。
怖がりさんでも楽しめる表現になっていて、“知らない人に注意”という教訓がやさしく伝わるのがポイントです。
おすすめ年齢 🎂
4歳〜7歳ごろ
👉 少し長めのストーリーと、緊張感ある展開があるので、集中力が育ってくる年齢にぴったり。
年中さん〜小学校低学年あたりがおすすめです。
ちょこっと豆知識 ✏️
『あかずきん』は、ドイツのグリム兄弟によって収集・再話された、世界的に有名な昔話。
もともとの原作には、少し残酷な描写や教訓的な要素が強く含まれていましたが、ポプラ社の絵本では、幼児向けに再構成されており安心して読み聞かせができる構成になっています。
イラストもやわらかく、森の描写や登場人物がとってもチャーミング♡
視覚的にも楽しめる一冊です。
読み聞かせのちょこっとコツ 🎤
🦊 オオカミのセリフは、ちょっと低めに&すこし演技を加えて!
「おまえを ひとくちで飲み込めるようにだよ!」の場面は、声のトーンを変えると子どもの集中度が一気にアップ!
🧺 赤ずきんの声は、元気で素直な感じに
お母さんとのやりとりや、森の中でのシーンも明るく元気に読むと、赤ずきんの魅力がより伝わります。
🎯 怖さを和らげたいときは、テンポをゆっくり&語りかけ風に
子どもが不安にならないよう、リズムよく読み進めるのがコツ◎
まとめ 🌈
『あかずきん』は、スリルと安心感のバランスが絶妙な名作童話。
**「知らない人に気をつけよう」「約束を守るって大事」**というメッセージが、子どもの心に自然と伝わる物語です。
ポプラ社の「はじめての世界名作えほん」シリーズならではの、やさしくて親しみやすい表現で、初めて読むのにもぴったり。
お話の中で赤ずきんと一緒に、ドキドキの森の冒険へ出かけてみてはいかがでしょうか♩


















